1987年にNHKの「クローズアップ現代」で金属アレルギーを取り上げた番組で、金属アレルギーと診断され長い間皮膚科的治療をしてもなおらなかった患者さんが歯科で金属の詰め物を外したら症状が消えた例をあげ、金属アレルギーと歯科金属の関連を指摘して以来、歯科においても金属アレルギーが注目されてきました。
しかし、金属アレルギーがすべて歯科治療に関係しているのではなく、歯科の金属がすべてその人自身に合わない訳ではありません。まず一番大切なことは金属のどの元素がアレルギーの原因になっているのか(アレルゲン)をつきとめることです。
現在はパッチテストにより金属元素ごとのアレルギーの有無の検査を行っています。すべて陰性でしたら金属アレルギーは無いと判断しますが、ある元素に明瞭な陽性反応があった場合は、次にその元素がお口の中の金属修復物に含まれているか検査する必要があります。
お口の中のすべての金属について治療を受けた時期や歯科医院がはっきりしていれば診療していただいた先生に問い合わせすればおおよそどのような種類の合金が使われているかはわかるかもしれません。
しかし、最近ようやく一部の歯科用金属で、微量に含まれている元素についても公表している製品も増えてきましたが、大多数の材料が5~10%が「その他」となっていて、含有元素を詳しく知ることができません。しかし、お口の中に入っている金属の成分を正確に知るためにお口の中の一つ一つの金属を分析することによりどの歯の金属にどんな元素が含まれているか、アレルゲンを含む金属修復物がどこにあるかを特定することができます。そうすれば特定された場所の金属を除去し新たにアレルゲンを含まない材料で再修復することにより、お口の中のアレルゲンを除去することができます。これが原因除去療法です。